このホームページでは、生後1ヶ月齢までの哺乳が必要な仔猫を「乳児猫」と呼んでいます。
乳児猫のお世話はとても大変です。
成猫や2ヶ月齢以降の仔猫とは、比べものにならないくらい手間がかかります。
その反面、毎日の成長を感じることができて、うれしいことも山ほどあります。
仔猫の目が開いた瞬間や、ぐびぐびミルクを飲んだ時の可愛さに感動できるのは、乳児猫を保護した人の特権です。
乳児猫を育てるのは非常に難しく、経験が豊かな人が育てても一定数は亡くなってしまいます。
それだけ弱い動物です。
辛い体験であきらめることなく、乳児猫を保護できる人が増えて欲しいです。
仔猫を見つけた直後の方は、下の記事をまずご覧下さい。
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仔猫の成長過程
乳児猫を育てる前に、その成長の過程について知っておく必要があります。
保護している仔猫は今どの成長段階で、どのようなお世話が必要なのか確認しましょう。
出生直後から生後1ヶ月半の離乳期まで、写真を見ながら簡単に説明します。
出生直後〜生後1週間以内
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生まれた時の体重は100グラム程度です。
かわいいですが、あまり猫らしくなくネズミのようにも見えます。
まだ目は見えず、耳も聞こえません。
1回に飲めるミルクの量は5ml~10mlと少ないです。
3~4時間おきに哺乳する必要があります。
生まれたばかりの仔猫は、へその緒がついています。
へその緒はだいたい1週間ほどで自然に取れます。
生後1週間で体重は2倍の200グラムほどになります。
生後すぐに性別を見分けることはできますが、少しコツが必要です。
動物病院で見てもらう方が確実です。
生後2週齢
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生後10〜14日くらいに目が開き始めます。
このくらいに耳の穴もできて、耳が聞こえるようになります。
ミルクの量は1回15~20mlと増えてきます。
ミルクの間隔を少し延ばしても大丈夫になります。
4~5時間おきに哺乳が必要です。
生後2週間で体重は300グラムほどになります。
生後3週齢
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耳が大きくなり、猫らしくなってきます。
足腰がしっかりしてきて、よちよち歩きます。
乳歯が生えてくると、離乳が近いサインです。
排泄も自力でできるようになってきます。
ミルクの量は1回20~25mlで、食欲のある仔猫はぐびぐび飲みます。
ミルクの間隔が5~6時間おきになり、保護している人の睡眠時間が長くなります。(笑)
生後3週間で体重は400グラムほどです。
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仔猫は生後2ヶ月くらいまで、みんな青い目をしています。
これは目の虹彩という部分にメラニン色素が少ないため、青く見えます。
キトンブルー(和製英語)とも言われ、小さな仔猫の特徴のひとつです。
生後2ヶ月以降にメラニン色素が沈着して、成長すると目の色が変化していきます。
生後4週齢
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生後4週齢になると乳歯が生えそろってきます。
この頃に、哺乳器への吸い付きが悪くなってきます。
乳歯がしっかり生えているのに哺乳を続けていると、哺乳器の乳首を食いちぎられることがあります。
早めに哺乳と並行して離乳食をスタートしましょう。
離乳食の与え方については後述します。
動きも活発になってくるので、広めのケージに移しましょう。
仔猫を広い部屋に出したままにすると、狭いすき間に隠れて見えなくなるのでやめましょう。
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自力で排泄もできるようになるので、トイレも置きましょう。
浅いバットに猫砂を入れると、勝手にトイレを覚えます。
犬と猫との大きな違いのひとつは、トイレを覚える速さです。
猫はきれい好きなので、なにも教えなくてもトイレを覚えることが多いです。
生後1ヶ月齢〜
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生後1ヶ月で体重は500グラムほどに。
動きが活発になり、遊びも激しくなります。
お皿から離乳食を食べるようになり、ミルクを飲まなくなったら完全に離乳します。
離乳食を始めてから1週間くらいが目安です。
離乳食の食べ始めは、消化不良を起こすこともあります。
体調の変化に気をつけましょう。
目の色はキトンブルーから、本来の色へ少しずつ変化します。
生後1ヶ月以内の乳児猫ができないこと
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乳児猫の成長過程が簡単にわかったら、乳児猫の特徴について理解しましょう。
哺乳が必要な乳児猫の体のつくりは、大人の猫とは全く違うものだと考えた方がいいです。
大人の猫が当たり前にできることが、乳児猫にはできません。
乳児猫のできないことは次の3つです。
自力でご飯を食べられない
自力で排泄できない
自力で体温調節できない
それぞれを簡単に説明します。
自力でご飯を食べられない
生後1ヶ月以内の仔猫(乳児猫)は、お皿にミルクが入っていても自力で飲むことができません。
もちろん固形のフードも食べることができません。
4時間おきに人の手で哺乳が必要です。
ミルクの温度も調整が必要で、冷めたミルクは飲みません。
消化器が未発達のため消化不良になりやすく、嘔吐や下痢をすることがあります。
乳児猫が嘔吐や下痢をすると体力が落ちるため、命に関わることがあります。
自力で排泄できない
ご飯を食べられないだけでなく、自分で排泄することもできません。
消化器や泌尿器が発達していないため、排泄もサポートが必要です。
母猫は仔猫が上手に排泄できるように、肛門周辺を頻繁になめています。
母猫が排泄物を食べて、仔猫の清潔を保っています。
自力で体温調節できない
乳児猫は体温が下がりやすく、体温低下で亡くなってしまうことも多いです。
寒さの厳しい環境に数時間置かれただけで、命の危険があります。
母猫は仔猫を自分の体に密着させたり、仔猫同士を密着させて体温が下がらないようにしています。
母猫は24時間体制で1ヶ月間乳児猫のお世話を続けます。
乳児猫を保護した時に必要なもの
乳児猫を保護した時に最低限必要なものは次の物です。
寝床と保温
- 段ボール箱もしくはキャリーケース
- ブランケットやタオル類
- ペットヒーターもしくはカイロ
- 温度計
哺乳
- 仔猫用粉ミルク
- 哺乳瓶
排泄
- ティッシュペーパー
成長管理
- キッチンスケール
- 哺乳記録ノート
ひとつずつ説明していきます。
保温と寝床
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乳児猫は自力で体温調節ができません。
暖かい寝床を作って体温を保つことがまず必要です。
生後間もない仔猫なら30度くらい、生後1ヶ月までは27度くらいに保つようにします。
春先の気温の変化が大きな時は朝方の冷え込みに注意が必要です。
夏場もクーラーは冷えるので設定温度を高めに使用します。
仔猫を入れる箱は小さめの段ボール箱やキャリーケースなど、小さめのケースの方が保温しやすいです。
箱の中にペットヒーターや使い捨てカイロを入れてブランケットで包みます。
仔猫は皮膚が薄く、低温やけどを起こしやすいです。
ヒーターやカイロが仔猫と直接接触しないように注意しましょう。
ブランケットはループのないものを使用します。
ループがあると仔猫の小さな爪が引っかかってしまうことがあります。
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哺乳
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哺乳は飲んでくれたら楽しいですが、飲まない時は大変です。
詳しいミルクの作り方や飲ませ方は後述します。
哺乳瓶と粉ミルクを使います。
生後1週間以内なら4時間おきに5mlくらいずつ飲ませます。
排泄
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乳児猫は自力で排泄できません。
うまく排泄できないと便秘になり、食欲が落ちます。
しっかりと排便や排尿させることも大切なケアです。
やり方は簡単です。
ティッシュで陰部をトントンと刺激するだけ。
刺激するとすぐに排尿を始めることが多いです。
刺激を止めると排尿も止まるので、出し切るまでトントンと刺激を続けましょう。
排尿と一緒に排便することが多いので、便が出始めたら刺激を続けて下さい。
便が水っぽい下痢でないか確認しましょう。
成長管理
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仔猫は毎日体重が増えます。
この写真で見ても、毎日10グラムずつ増えていますね。
毎日同じ時間に仔猫の体重を計って、記録をつけるようにしましょう。
毎日記録をすることによって、仔猫の成長を確認することができます。
仔猫の体重は軽いため、人の体重計では計ることができません。
調理用のキッチンスケールが使いやすいです。
キッチンスケールから落ちることもあるので、軽い箱に仔猫を入れて箱ごと計ると安全です。
もちろんゼロ合わせを忘れずに。
順調に育っていれば生後1週間で体重が2倍になります。
もし、体重が減っていたり、ずっと同じままの時は、ミルクの量が足りないか、うまく消化できていないことがあります。
複数の仔猫がいる場合は、体重の変化を見ることで体調の変化を早く見つけることができます。
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仔猫を保護した直後に気をつけること
仔猫の様子をしっかりと観察
仔猫を保護したら、しっかりと様子を観察します。
次のことに注意しましょう。
- 元気があるか(動きや鳴き声)
- 猫風邪をひいていないか(鼻水や目ヤニ)
- ケガがないか(出血や骨折)
- 体温が低くないか(手に持った時にひんやりする)
- 食欲があるか(早めに哺乳する)
このうちのひとつでも問題があれば動物病院で診察を受けましょう。
仔猫は体力が少ないため、小さな問題がすぐに命取りになります。
気になることを見つけたら、早めに診察を受けましょう。
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先住猫とは隔離する
保護したばかりの仔猫は寄生虫やウイルスなどに感染していることがあります。
また、仔猫は免疫力が弱く、先住猫から感染症をもらう場合もあります。
仔猫が2ヶ月齢になって、ワクチン接種、ウイルス検査(FIVとFeLV)、糞便検査をしっかり終えるまでは、先住猫と隔離することをおすすめします。
手洗い消毒をしましょう
仔猫は免疫力が弱く、成猫なら問題にならない感染症に感染することがあります。
仔猫を守るために一番いい感染症対策は、手洗いです。
毎回ビニール手袋を替える方法もありますが、コストがかかったりゴミが増えてしまいます。
仔猫を触る前には必ず手洗いをして、触った後も手洗いをしましょう。
自宅に消毒用アルコールや次亜塩素酸水があれば、手洗い後に塗布すれば消毒効果が高くなります。
哺乳してみよう
乳児猫のお世話で一番楽しく、一番難しい部分です。
哺乳は哺乳器を使うことがほとんどですが、場合によってシリンジを使います。
仔猫によって好みが違い、やり方を少し変えただけで飲み具合が変わります。
仔猫が好きなやり方を探して、いろいろな方法を試してみましょう。
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用品はどこで手に入る?
まずは仔猫を育てるための道具を準備します。
猫の用品を扱うペットショップなら、ほとんどそろいます。
できれば、生体販売のないペットショップで買いたいですね。
ホームセンターでも置いてありますが、種類は少ないかもしれません。
スーパー、ドラッグストア、コンビニにはまずありません。
メーカーにこだわるならネット通販で買うのが確実ですが、手に入るまで数日かかることがデメリットです。
おおよその値段はこちらです。
哺乳瓶 700円くらい
乳首スペア2個 800円くらい
粉ミルク缶270グラム 1600円くらい
この記事は森乳サンワールドの商品が多いのでサイトを載せておきます。
哺乳瓶はなにを使う?
哺乳器は必ず仔猫専用もしくは仔猫仔犬兼用を使います。
仔犬専用の哺乳器は哺乳瓶の先が大きすぎて、仔猫が飲みにくいことがあります。
この記事では森乳サンワールドの哺乳器細口乳首(スペア付き)(仔猫仔犬兼用)を使っています。
細口のため、生後まもない仔猫でも使うことができます。
哺乳瓶の先の柔らかい部分を乳首と呼びますが、この乳首の穴は加工が必要な場合があります。
これについては後述します。
煮沸消毒かミルトンで消毒した哺乳器を準備します。
煮沸消毒するときは、ボトルとキャップは3分、乳首は1分程度です。
毎回消毒するのは大変なので、1日1回など定期的に消毒を行います。
ミルクの作り方
粉ミルクはいくつか種類がありますが、この記事では森乳サンワールドのワンラック・キャットミルクを使っています。
理由は、ペットショップやホームセンターで手に入りやすく、価格が比較的安いからです。
森乳サンワールドのゴールデンキャットミルクは高栄養でオススメですが、やや値段が高いです。
何匹か仔猫を保護しているなら、ワンラック・キャットミルクがオススメです。
ミルクの作り置きは雑菌が繁殖するため、なるべく毎回新しく作りましょう。
粉ミルクと溶かすお湯の量はミルク缶に記載があります。
適切な量(ミルク2グラムにお湯10mlなど)と温度(50〜70度など)で溶かすようにしましょう。
ミルクは温度が大切
お湯の温度が低すぎるとミルクが溶けないでダマになり、熱すぎると火傷の原因にもなります。
ミルクを溶かすときは、粉がダマにならないように気をつけましょう。
ダマがあると、ミルクの飲みが悪くなります。
マドラーを使うか、哺乳瓶のフタをしてしっかりと混ぜましょう。
仔猫がミルクを飲みやすい温度は、人肌より少し温かい35〜40度です。
熱すぎても火傷してしまいますし、冷たすぎると飲んでくれません。
できれば温度を計ってから与えた方がいいですが、温度計がない場合は手に一滴乗せて確かめます。
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猫や犬に牛乳を与えてもいいですか?という質問が時々あります。
牛乳には乳糖が含まれていて、乳糖を分解する酵素が少ない猫や犬は下痢をしやすいです。
少量ずつ飲ませて体を慣らしていくと、一定量飲めるようになります。
このため、仔猫に牛乳を与えるのは極力避けて下さい。
一度下痢をしてしまうと命取りになります。
しかし、夜に子猫を保護して、どうしても仔猫用ミルクがない場合、牛乳を薄めて飲ませます。
朝までの数時間何も飲めないと、仔猫はあっという間に体力を落とします。
ミルクの飲ませ方
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人の赤ちゃんは仰向けでミルクを飲ませますが、仔猫はお腹を下にしてうつ伏せで飲ませる方が安全です。
仰向けで飲ませるのは、誤嚥しやすいのでやめましょう。
写真のように、頭を軽くつかんで、哺乳器の先を軽く口に入れてあげます。
上手に飲める仔猫だと、しっかりと乳首に吸い付いてゴクゴク飲んでくれます。
耳をぴくぴく動かしながら飲んでいれば、しっかりと哺乳器に吸い付いています。
お腹がいっぱいになると自分で乳首を離すので、飲みたいだけ飲ませて大丈夫です。
飲んでいるように見えて、ミルクがあまり減っていない時は、空気を飲んでいることがあります。
少し休憩させて、ゲップを出させてから、もう一度ミルクを飲ませることもあります。
一気飲みする子は、哺乳器の中が陰圧になって吸えなくなります。
こんな時は、一度口から乳首を離して空気を入れます。
お腹がいっぱいになると、ちょっと静かになってゴロゴロ転がります。
毎回どのくらいミルクを飲んだか、成長記録ノートに書いておくと成長の目安になります。
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仔猫がゴクゴク飲んでくれた時の喜びは格別です。
反対に、適切にミルクを作っても、簡単に飲んでくれないこともあります。
これまで母猫から母乳をもらっていた仔猫は、哺乳器からミルクを飲めることを知りません。
ミルクの味が違ったり、哺乳器の触感が違って、「なんかちがーう!」と大騒ぎします。
初めての哺乳器でも、「ここからミルク出てるんだ、ちょっと違うけど我慢しよ。」となる仔猫もいれば、
「この気に入らないミルクは断固拒否します。」の仔猫もいます。
乳児でもそれぞれに個性があります。
すごくガッついてミルクを飲む子、ちょっとボーッとしてて休みながら少しずつ飲む子など。
生後1週間くらいからすでに個性を発揮しているのは、見ていて面白いです。
ミルクの量と間隔の目安
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授乳の量と間隔は体重によって変わります。
ミルクの缶(ワンラック・キャットミルク)に基準が書いてありますが、少し多めに書いてある印象です。
出生直後〜生後1週間以内
1回に飲めるミルクの量は5ml~10mlと少ないです。
3~4時間おきに哺乳する必要があります。
ミルク缶の記載では、体重130グラムで1日6~8回(3~4時間おき)、1回にミルク2グラム(+10mlのお湯)となっています。
生後1~3日だと1回10mlは多いです。
生後2週齢
ミルクの量は1回15~20mlと増えてきます。
ミルクの間隔を少し延ばしても大丈夫になります。
4~5時間おきに哺乳が必要です。
ミルク缶の記載では、体重180グラムで1日5~6回(4~5時間おき)に3グラム(+15mlのお湯)となっています。
体重が200グラムを超えてくると1日4~5回(5~6時間おき)になり、楽になります。
ミルクは規定量を毎回きっちり飲まなくても、体重が毎日10~20グラム増えていれば大丈夫です。
1回の哺乳量より、1日でトータル何ml飲んだかが大切です。
例えば、180グラムの仔猫なら、ミルク缶の記載では15mlを1日5回でトータル75mlぐらいです。
1回の飲む量が少なければ、回数を増やします。
ミルクをあまり飲めていない場合を除き、授乳時間が来ても寝ている場合は無理やり起こさなくても大丈夫です。
おなかが空くと起きて鳴きます。
生後10日を過ぎると、6時間ぐっすり寝る子もいます。
生後3週齢
ミルクの量は1回20~25mlで、食欲のある仔猫はぐびぐび飲みます。
ミルクの間隔が5~6時間おきになります。
乳歯が生え始めて、そろそろ離乳が始まります。
ミルクと並行して、離乳食を始めましょう。
離乳食の与え方は後述します。
なぜミルクを飲まないのか考える
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仔猫のミルクを飲む量が減ったり、飲めない時間が長くなると、すぐに体力を落としてしまいます。
ミルクを飲まない理由は様々です。
仔猫はとても繊細でわがままです。
ひとつひとつ原因を除外して、なるべく早く十分な量のミルクを飲めるようにしましょう。
仔猫がミルクを飲まない原因
- 哺乳器が嫌い
- 体調が悪い
- ミルクの味が嫌い
- 上手に排尿できていない
- 便秘が続いている
- ミルクが冷たい
- ミルクがダマになっている
- 哺乳器からのミルクの出が悪い
- 信頼関係の問題?
哺乳器が嫌い(シリンジを使ってみる)
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哺乳器ではじめて飲む仔猫は、母猫のおっぱい以外からミルクを飲めることを知りません。
おっぱい以外からもミルクを飲めることを、少しずつ教えていく必要があります。
哺乳器からミルクを一滴たらして口に何度か入れてみると、吸い付くことがあります。
それでもダメなら、シリンジ(注射筒)やスポイトを試してみます。
シリンジを使う場合は、少しずつ根気よくミルクを口に含ませていきます。
シリンジで飲ませる方法は、時間がかかります。
しかし、一度にたくさんのミルクを口に入れると、誤嚥することがあるので気をつけましょう。
少しずつ飲ませることで、体調が上向くことがあります。
根気よく、焦らず、少しずつ頑張るしかありません。
シリンジで口に含ませてもあまり飲み込めない場合、体調が悪い可能性があります。
こまめに1滴ずつ飲ませてもダメなら、早めに動物病院でみてもらいましょう。
体調が悪い
乳児猫は体温が下がると、腸の動きも悪くなります。
また、下痢が続いたり、猫風邪を引いたりすると食欲が落ちることがあります。
体力を落とさないように、ミルクを飲ませつつ治療が必要になります。
体調が悪い時は様子を見ずに、なるべく早く動物病院で診察を受けましょう。
ミルクの味が嫌い
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味が薄すぎたり濃すぎたりすると、ミルクを飲みたがらないことがあります。
メーカーの推奨する濃度でミルクを作りましょう。
また、粉ミルクのメーカーによって味が違います。
仔猫によっては粉ミルクの種類を変えると飲み始めることがあります。
上手に排尿できていない
乳児猫はミルクをたくさん飲んだ後は、膀胱にたくさんおしっこがたまります。
膀胱がパンパンだとミルクが胃に入りにくくなります。
ミルクを飲ませる前に、しっかりと排尿させておきましょう。
尿道口をしばらくトントンして、おしっこを完全に出し切ったら終わりです。
下腹部を触ると、お腹が少し凹んだのがわかると思います。
便秘が続いている
粉ミルクを飲ませると便秘になることがあります。
便がたまってくると、苦しくなり食欲が落ちることがあります。
便秘の解消法については後述します。
ミルクが冷たい
ミルクが冷たいと飲みたがらなくなります。
母猫の体温と同じくらいの39度が目標ですが、熱すぎず冷たすぎない温度でミルクを作りましょう。
できれば温度計で計った方が安心ですが、なければ手のひらに一滴垂らして温度を確認します。
兄弟が数匹居る場合の哺乳について
1匹ずつミルクを作って飲ませる場合はミルクの温度も保てて飲んだ量も把握できますが、数匹分をまとめて作って長時間にわたり回し飲みしているとどの子がどの位飲んだのか?がわからなくなるのと途中からミルクがぬるくなってしまいます。
解決方法として、箱やキャリーを2つ準備して、これから飲ませる子と飲ませ終わった子を分けると良いです。
1匹ずつどの位の量を飲んだか記録しながら哺乳します。
魔法瓶に熱湯を準備して、湯せんし直せば温度を維持できます。
電子レンジでの温め直しは、加熱に偏りが出るため避けた方がいいです。
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ミルクがダマになっている
しっかりと粉ミルクが溶けていないと、粉がダマになります。
ダマがあると哺乳器からミルクの出が悪くなり、飲みが悪くなることがあります。
しっかりとかきまぜて、粉が溶けきっているか確認しましょう。
哺乳器からのミルクの出が悪い(穴が小さい)
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哺乳器の先のゴムの部分を乳首と呼びます。
この乳首の穴が小さすぎると、仔猫がミルクを飲みにくくなります。
こんな時は、乳首の先の加工が必要です。
穴の部分をハサミで切って、少し大きくします。
穴が大きすぎても、一気に口の中にミルクが入ってしまい誤嚥を起こすことがあります。
まずは小さめに穴を切って、少しずつ飲みやすい大きさに調整します。
信頼関係の問題?
はじめて見る巨人と動き回る大きな手に、仔猫はおびえているかも知れません。
仔猫と人間の信頼関係も大切です。
優しくなでて声かけをして、仔猫に信頼してもらいましょう。
愛情が伝わると飲み出すことがあります。
仔猫は便秘になりやすい
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乳児猫は哺乳前に必ず排尿が必要ですが、固形のフードを食べないため排便は毎回しません。
排便の刺激をがんばりすぎると、肛門が腫れてしまうのでやりすぎに気をつけましょう。
たくさんミルクを飲む仔猫は毎日排便しますが、少ない場合は2、3日に1回程度のことも多いです。
しかし、1週間排便がない場合はうまく出せていな場合があります。
便秘の時の対処法について説明します。
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母猫が育てていた時は母乳をもらっています。
仔猫を保護すると急に人工ミルクに変わるため、仔猫の便の性状が変わり便秘になることがあります。
保護した当時はよくミルクを飲んでいたけど、少しずつミルクを飲まなくなってきた時は便秘になっていることがあります。
排便の回数や便の性状も気をつけて見ていきましょう。
乳児猫が便秘の時の対処法
ぬるま湯でたっぷり湿らせたコットンやティッシュペーパーで、根気よくトントンします。
刺激が強すぎると肛門が腫れてしまうので、やさしく刺激して下さい。
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肛門トントンと並行しておなかマッサージを行うと、効果が出ることがあります。
腸の動きを刺激して排便を促します。
仔猫を仰向けに持って、おなかを「の」の字を描くようになでてマッサージします。
こちらも腸を刺激しすぎると、反対に腸の動きが止まってしまうことがあります。
おなかの表面をやさしくなでるようにしましょう。
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硬くなった便が肛門の出口でフタのようになって、後からくる柔らかい便の通過を邪魔していることがあります。
この場合は、フタをしている硬い便を取り除いて排便しやすくします。
やり方は簡単ですが、勇気が必要です。
綿棒の先にオリーブオイルをつけて潤滑液にします。
仔猫を仰向けに持って、肛門に綿棒を入れます。
この時に真っ直ぐに肛門に入れるだけではなく、綿棒を指先で回転させると入りやすくなります。
自信のない方は動物病院で処置してもらいましょう。
駆虫とシャンプー
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動物病院は早めに探しましょう
動物病院によっては、保護されたばかりの猫の診察できない場合があります。
また、生後2ヶ月以内の仔猫の診療について、詳しくない場合があります。
動物病院へ行く前に、電話で仔猫の状況を説明して、診察してもらえるか確認しましょう。
安全に使用できる駆虫薬は限られる
乳児猫でもノミや消化管の寄生虫が感染していることがあります。
ノミが1匹でもいると、その後大量繁殖するので早めに駆虫しましょう。
仔猫は体が小さいので、ノミがたくさん寄生すると貧血を起こすことがあります。
乳児猫に使える駆虫薬は限られているので、自己判断ではなく動物病院へ相談して下さい。
シャンプーはなるべくしない方がいい
シャンプーは体力を消耗するため、乳児猫にはなるべくしない方がいいです。
もし下痢などで仔猫の体が汚れてしまったら、部分的にお湯で流して、急いでドライヤーで乾かして下さい。
仔猫は毛が薄いのですぐに乾きます。
皮膚も薄く、火傷をしやすいので気をつけて下さい。
生後3週齢から離乳が始まる
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ミルクの飲みが悪くなったら離乳食を試す
生後3週齢で体重400グラムほどです。
乳歯が生えてきて、よちよち歩いている時期です。
排泄も自力でできるようになってきます。
この頃から、ミルクの飲みが悪くなったり、哺乳器の乳首をかんで上手く飲めなくなったりします。
その様子が見えたら、ミルクと並行して離乳食を試してみましょう。
離乳食の与え方
離乳食はロイヤルカナンのマザー&ベビーキャットというウェットフードが使いやすく、食いつきもいいと思います。
ペットショップやホームセンターでは必ずしも売っていないので、ネットで注文が早いです。
見つからなければ、カルカンの仔猫用パウチなど他の離乳食でも大丈夫です。
最初は、離乳食とミルクを混ぜたものを指で口に入れてみます。
すぐに食いつく子もいれば、なかなか食べない子もいます。
食べない場合は引き続きミルクを飲ませて様子を見ます。
ミルクを混ぜると食べず、離乳食だけなら食べる子もいます。
いろいろ試してみましょう。
生後3週齢で離乳食を始めたら、生後1ヶ月でほぼ離乳できます。
離乳期はミルクから固形のフードに変わるため、下痢をしやすい時期です。
1週間くらいで離乳食に慣れて、正常な便になることが多いです。
下痢で食欲が落ちるようなら、動物病院で診察を受けましょう。
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のら猫の中にも乳離れできない仔猫がいます。
普通は生後1ヶ月齢で離乳してきますが、生後4ヶ月齢でも母乳を飲んでいることがあります。
通常ですと、仔猫の歯があたって痛いので母猫が嫌がるようになり、次の発情のため仔猫を突き放すことが多いです。
母乳自体も成分が変わり、おいしくなくなるようです。
大きな仔猫が母猫に甘えている姿はかわいいです。
トイレトレーニングを始める
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離乳食を食べ始めたら、動き回れる広さのケージにお引越しです。
トイレ、ベッド、ハンモック、フードと水のお皿、爪とぎなどを入れます。
自力で排泄できるようになっているので、トイレトレーニングも始めます。
仔猫が入れる高さのトレーやバットを、トイレとして使います。
猫砂におしっこの匂いをつけておいたり、そわそわしたらトイレに入れてあげると、トイレを覚えます。
仔猫は猫砂を口にしてしまうこともあるので、木製やおから製がオススメです。
粒が小さいほうが、トイレだと認識しやすいようです。
まとめ
人の赤ちゃんと比べるのもおかしいかもしれませんが、仔猫の成長は驚くほど早いです。
生まれて2週間で目が開いたと思ったら、1ヶ月で離乳食を自分で食べています。
日々の劇的な変化を感じながら、感動も多いと思います。
この記事を参考にして、乳児猫を飼い猫として迎え入れたり、譲渡活動に役立てていただけたら幸いです。
アドバイスやご指摘などありましたら、お問合せフォームからお願いします。
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