保護猫にやってはいけないことリスト

これまでの記事では「猫を保護したらやるべきこと」をお伝えしてきました。

反対に、保護猫に対して「やってはいけないこと」もたくさんあります。

やってはいけないことを保護猫にしてしまった結果、保護猫が逃げてしまったり、病気になってしまうことがあります。

やらない方がいいことを事前に知って、より安全に保護猫を迎えましょう。

いくつかの記事で書いた内容を集めて、詳しく説明して行きます。

目次

保護した直後のシャンプー

猫を保護したら、汚れを落とすために、すぐに洗いたい!

その気持ちよく分かります。

でも猫のことを考えるなら、シャンプーはしばらく待った方がいいです。

理由を説明します。

猫は水が嫌い

ほとんどの猫は水をかけられることが嫌いです。

猫の祖先は砂漠地帯に住んでいました。

砂漠では水は貴重です。

そのため、猫は犬に比べると水を飲む量も少なく、濃いおしっこをします。

水が少ない環境に適応した猫は、水に慣れていないことが多いです。

のら猫先生

ターキッシュバンという猫の品種があります。
トルコ原産の水を好む猫種として知られていて、泳ぐこともあるそうです。

https://youtu.be/Fxk7-JQdkv4

シャンプーはストレスがかかる

水が嫌いな猫はシャンプーすることで、ストレスがかかります。

汚れていたからシャンプーしようと思ったら、興奮して濡れたまま部屋中を走り回った、という話もあります。

特に、保護したばかりの猫に対してシャンプーはしない方がいいです。

信頼関係がなくなり、人慣れしにくくなったり、脱走の原因になります。

おとなしい猫ならシャンプーできることもありますが、シャンプーやトリミングが必要な場合は鎮静薬を使うことが多いです。

猫のシャンプーを犬と同じに考えない方がいいです。

触ることができる猫なら、ブラッシングを多くして、汚れた被毛を取り除いてあげましょう。

猫は毛繕いが大好き

猫は起きている時間の3分の1を毛づくろいしています。

それくらいきれい好きです。

健康な猫なら自分で毎日毛づくろいをします。

保護した時に毛が汚れていても、しばらくするとツヤツヤにきれいになります。

猫は毛づくろいが大好きなので、基本的にシャンプーは必要ありません。

のら猫先生

犬の祖先であるオオカミは集団で狩りをします。
チームプレーで獲物を追いかけて、仕止めます。
少しくらい体が臭っても、遠くから集団で追いかけるため関係ありません。

それに対して、猫は単独で狩りをします。
ギリギリまで獲物に近づいて、一瞬のすきを狙って仕止めます。
猫の体が臭いと、獲物に気づかれてしまいます。
そのため、猫は常に体をきれいにして、臭いを減らしているのです。

特に仔猫は命取りになることがある

シャンプーはストレスがかかり、特に仔猫は体力を消費します。

ガリガリにやせて、ノミがたくさんついている仔猫は、今すぐにでも洗いたくなります。

しかし、シャンプーが原因で体力を落とし、命に関わることがあります。

体温調節ができない生後1ヶ月齢以下の場合は、体温が低下してしまうこともあります。

まずは、ノミの駆虫薬やブラッシングで様子を見ましょう。

ご飯をしっかり食べていること、体力が回復してきたことを確認した上で、どうしても必要がある場合のみ、ごく短時間でシャンプーとドライヤーまで行います。

保護した直後に先住猫と接触

外で暮らしてきた猫は、どのような寄生虫やウイルスを持っているかわかりません。

猫を保護した直後に、自宅で飼っている先住猫と接触させない方が安全です。

寄生虫やウイルスが感染するリスク

ノミや回虫などの寄生虫が感染した場合は駆除することができますが、猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスが感染した場合は、取り返しがつかなくなります。

猫を保護したら、猫を入れておくケージを準備して、隔離しましょう。

できれば、先住猫がいる部屋と別の部屋がより安全です。

ノミは保護した当日に駆除する

ノミは寄生すると数日で産卵します。

メスのノミが1匹いると1ヶ月で200匹に増えます。

あっという間に、家中や先住動物に広がって大変な事になります。

最低限の医療処置として、猫を保護した当日中にノミを駆虫しましょう。

ノミ取りシャンプーや市販の駆虫薬は効果が低く、完全に駆虫するのは難しいです。

動物病院で処方してもらうか、処置してもらいましょう。

糞便検査は最低3回

検査や駆虫がしっかり済むまでケージで隔離するほうが安心です。

動物病院で、糞便検査とウイルス検査(猫免疫不全ウイルスと猫白血病ウイルス)ができます。

糞便検査は寄生虫の虫卵を見つけることで、お腹の中に寄生虫がいないか検査できます。

寄生虫の虫卵は排出される時期が決まっていて、一度の検査では虫卵を見つけられないことがあります。

1〜2週間ごとに最低3回は検査することをおすすめします。

人の手を介して、寄生虫やウイルスが感染してしまうことがあります。

保護猫を触ると触ったにはしっかりと手洗いをしましょう。

保護した直後のウイルス検査は正しい判定でないことも

動物病院でウイルス検査(猫免疫不全ウイルスと猫白血病ウイルス)ができます。

ほとんどの病院で検査キットで簡易的に検査して、30分ほどで結果が出ます。

しかし、保護した直後は、検査結果が正確ではないことが時々あります。

検査結果を確実にするためには、保護した直後に1度検査して、2ヶ月後にもう一度検査する必要があります。

成猫の場合は、2回目の検査結果が変わることはほとんどありませんが、確実な結果を求めるなら2回検査した方が安心です。

検査結果が変化する理由については、別の記事で説明しました。

耳ダニも気をつけましょう

寄生虫は、ノミとお腹の中だけではありません。

猫の耳の中に寄生するダニがいます。

通称「耳ダニ」と呼ばれています。

寄生すると強い痒みがあります。

猫が耳を振ったり、後ろ足で耳をかく仕草が多い場合は、動物病院で検査してもらいましょう。

保護したらなるべく早く病院へ

猫には、様々な寄生虫やウイルスがいます。

先住動物や家の中に感染症を広めないために、最大限の注意をする必要があります。

猫を保護したらすぐに、動物病院で医療処置を受けることがベストです。

最初に医療処置できたら、そのままケージに入れてしばらくそっとしておけます。

静かにケージに入れている間に、信頼関係を築き、人慣れ訓練を開始することができます。

猫を保護する前からの事前準備が、とても大切です。

生後6ヶ月以降の未手術の猫をオスメス一緒に保護

不妊手術をしていない繁殖能力がある猫を、一緒の空間で保護しておくのは危険です。

猫は繁殖力が強い動物です。

猫は生後6ヶ月で発情が始まります。

1回目の発情でオスとメスがいれば、兄妹同士でも交尾して妊娠します。

妊娠期間はわずか2ヶ月です。

1回の出産で平均4匹の仔猫が生まれます。

その仔猫も生後半年で発情します。

ネズミ算式に増えて、3年もあれば「多頭飼育崩壊」します。

不妊手術をしていないオスメスを、一緒に保護している場合は危険です。

発情する前に、動物病院に手術の相談をしましょう。

慣れていない猫に素手で触る

保護猫活動では安全が第一です。

ケガをするリスクを最小限にして、保護する人の安全を最優先する必要があります。

特に人慣れしていない保護直後の猫を素手で触ると、ケガをする可能性が高いです。

猫からすれば、急に居場所が変わって大混乱中です。

そこに見知らぬ大きな手が入ってきたら‥。

思いっきりパンチするか、噛みついて退治したくなるでしょう。

人がケガをするだけでなく、猫との信頼関係が悪化してしまいます。

まずは、猫との距離感を確かめながら、少しずつ信頼関係を築く方が安全です。

慣れていない猫の慣らし方については、別の記事で説明しました。

猫を保護して、すぐに脱走対策をしない

猫を保護した時にもっとも気を付けなければならないことのひとつは、猫を脱走させてしまうことです。

自宅付近で保護した猫が万が一脱走したとしても、元々いた場所なので生きていけます。

しかし自宅から離れた場所で保護した猫が、自宅から逃げてしまった場合は、エサを食べる場所を探すことすら困難です。

絶対に逃げないように脱走対策をする必要があります。

玄関の脱走対策

引用:Amazon

玄関はドアが大きく開くため、一番脱走しやすい場所です。

また、ドアが外側に開くため、帰宅時などに玄関で待っていた猫が出やすい構造です。

猫が脱走しないためには、玄関に入らないように対策する必要があります。

猫がいる空間に仕切りがなければ、玄関前に写真のような柵を設置して、二重扉になるようにします。

できれば、天井までの高さの柵があると確実です。

写真のような既製品をネット通販で購入できます。

100円ショップのグッズなどを組み合わせても、脱走対策はできます。

ご自宅の形状に合わせた脱走対策をして下さい。

窓の脱走対策

引用:Amazon

窓も猫が逃げやすい場所です。

換気のために、網戸をして窓を開けることはあると思います。

しかし、網戸をしていても、猫が手で開けてしまうことがあります。

猫はかなり狭い隙間でも通ることができます。

これくらいなら大丈夫と思っていた窓の隙間から、脱走してしまうことがあります。

100円ショップなどで購入できるものを組み合わせて、窓に脱走対策を施すことができます。

写真は100円ショップで購入した、突っ張り棒、結束バンド、ワイヤーネット、ワイヤーネット専用ジョイントを使って窓に脱走対策をした一例です。

あまりお金をかけなくても、工夫次第で立派な脱走対策ができます。

窓にも100円ショップのグッズは有効です。

窓の形に合わせて作りましょう。

脱走対策グッズを過信しない

しっかりと脱走対策をしても完全に安心とは言えません。

猫はかなり小さな隙間でも、通り抜けることができます。

「猫は液体」と表現されるほど柔軟で、顔より少し大きい隙間があれば通ります。

また、前足を器用に使って、隙間を作ったり対策グッズを壊すかもしれません。

対策グッズを過信しすぎず、脱走しそうなポイントをいつも点検するように心がけて下さい。

猫の散歩

SNSの動画で、猫の散歩に関するものも見られます。

犬のように並んで歩いてくれたり、自由に歩き回る姿は癒やされると思います。

しかし、猫の散歩は非常に危険です。

猫は関節が柔らかいため、犬用のハーネス(胴輪)はしっかりと締めていても簡単に抜けてしまいます。

車のクラクションや子供が遊ぶ爆竹の音に驚いて、ハーネスから抜けて逃げてしまう話があります。

逃げた猫も気が動転しているため、戻ってこられません。

猫の気分転換のためにと散歩をして逃してしまったら、猫にとっても逃した人にとっても、とても不幸なことです。

現在は、猫の完全室内飼いが推奨されています。

あえてリスクのある猫の散歩はしないで、室内で猫が満足できる方法を探してください。

まとめ

今回は保護猫にやってはいけないことをまとめてみました。

「やってはいけないこと」と「やるべきこと」は表裏一体です。

やってはいけないことを知ることで、やるべきことも見えてきます。

ひとつでも新しいことが見つかり、より安全な保護猫活動につながれば幸いです。

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